仲値とは何か|なぜどの両替所もその数字では替えてくれないのか
記事の更新日: 2026-09-17
最高レート JPY · バンコク: 0.2115 — Superrich Thailand — Headquarter Rajdamri 1 · 9月20日 08:58 → 詳細
スマートフォンで「円 バーツ」と検索すると、数字がひとつ出てきます。ところが両替所の店頭に並ぶ数字はそれより低く、しかも店ごとに違います。だまされているわけではありません。検索結果に出る数字は、そもそも個人が現金を替えるための値段ではないからです。

この仕組みを一度理解しておくと、店の良し悪しを正しく比べられるようになります。
仲値とは何か
仲値(ミッドマーケットレート)は、買値と売値のちょうど真ん中の数字です。世界中の銀行が互いに大量の通貨を売り買いしている市場があり、そこには「買いたい人が出している値段」と「売りたい人が出している値段」が常に並んでいます。この2つの中間点が仲値です。
重要なのは、仲値そのもので取引している人はいないということです。仲値は実際の取引価格ではなく、2つの価格の平均という計算上の位置です。検索エンジン、為替アプリ、ニュースが表示しているのはこの数字です。基準としては正確ですが、そこで両替できるという意味ではありません。
店頭に2つの数字が並ぶ理由
両替所のレート表には、通貨ごとに BUYING と SELLING の2列があります。
- BUYING(買取) — 店があなたの外貨を買い取る値段。円をバーツに替えるときに見る列です。
- SELLING(販売) — 店が外貨を売る値段。バーツで円を買い戻すときの列です。
BUYING は仲値より低く、SELLING は仲値より高くなります。この2つの間の幅がスプレッドで、これが店の取り分です。仲値はこの幅の中央にあります。
つまり、店が仲値で両替してくれない理由は単純で、仲値で両替したら店に収入がないからです。両替所は店舗を借り、人を雇い、現金を輸送し、金庫を維持しています。手数料を別立てで取らない店でも、この幅から回収しています。
タイのスプレッドはどれくらいか
タイの街なかの専門両替所は、主要通貨で**仲値から1〜3%**のスプレッドに収まるのが普通です。世界的に見てかなり狭い部類で、これがタイで現金両替が有利だと言われる理由です。
一方で、同じ国の中でも場所によって差があります。
- 街の専門両替所 — もっとも狭い。競合が並んでいる場所ほど狭くなります。
- 銀行の窓口 — 専門店より広め。ただし確実で、地方では選択肢がここしかないこともあります。
- 空港の到着階カウンター — 明確に広い。競合がなく、家賃が高く、客が比較できないためです。
- ホテルのフロント — もっとも広いことが多い。利便性の値段です。
金額が大きいほど、この差は実額で効きます。10万円なら数百円の話ですが、50万円なら数千円の差になります。滞在が長い人ほど店選びの価値が上がるのはこのためです。
「手数料無料」は安いという意味ではない
タイの専門両替所の多くは、レートに取り分を含めるかわりに別途の手数料を取りません。ここで注意したいのは、手数料を取らないことと条件が良いことは別だという点です。スプレッドを広く取れば、手数料ゼロでも高くつきます。
比較するときは、手数料の有無ではなく、受け取るバーツの額だけを見てください。1万円を出したら何バーツになるのか。その数字だけが実質のレートです。
日本円で特に効く2つのこと
日本から来る人には、スプレッド以外に2つの変数があります。
額面区分。日本円は、一万円札と五千円・千円札で別の行になっている店が多く、小額紙幣は不利です。店の良し悪しを比べる前に、まず一万円札でそろえてください。ここでの差はスプレッドの差より大きくなることがあります。
日本のカードの海外手数料。現金を持たずカードで通す場合、仲値との差は両替所ではなくカード会社側に発生します。国際ブランドの事務処理レートに、カード会社の海外事務手数料が上乗せされます。カードによって幅があるので、出発前に自分のカードの条件を確認してください。あわせてATMは1回220バーツの定額手数料がかかります。比較の考え方は現金・Wise・ATMの比較に整理しています。
仲値を見る意味はどこにあるか
仲値で両替できないなら、見る意味はないのでしょうか。あります。基準がないと店を比べられないからです。
店頭の数字だけを見ても、それが妥当なのかは分かりません。仲値と比べて何%落ちているかが分かれば、「この店は普通」「この店は明らかに広い」という判断ができます。空港のカウンターが不利だと言えるのも、仲値という共通の物差しがあるからです。
THXは各社が公表する数値を並べ、仲値との比較も見られるようにしています。ただし、最終的に適用されるのは店頭の表示と手渡される明細です。掲示は1日に何度も動くので、カウンターで金額を告げられたら、受け取る前に計算が合っているか確認してください。
この話が不要な人
次の人は、仲値を気にする必要がありません。
- 両替額が数万円で、滞在が数日の人。店ごとの差は数十円から数百円です。安全な場所で、待たずに替えられる店を選ぶほうが価値があります。
- 現金をほぼ使わず、カードで完結させる人。見るべき数字は両替所のレートではなく、自分のカードの海外手数料です。
- 到着直後の少額両替。空港のカウンターが不利なのは事実ですが、3,000〜5,000バーツだけ替えるなら差額は小さく、市内まで出る手段を確保するほうが優先です。
逆に、10万円を超える両替をする人、長期滞在で何度も替える人は、比べる価値が実額で出ます。
まとめると
仲値は取引の値段ではなく、買値と売値の中央にある基準点です。どの店もそこでは替えません。代わりに見るべきは、仲値からの距離と、自分が実際に受け取るバーツの額です。その日の並びはバンコクの円レート一覧や店舗一覧で確認できます。エリアごとの選び方はバンコクで両替するならどこかにあります。