「円で決済しますか」は必ず断る|DCCの正体と手順

記事の更新日: 2026-10-01

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タイで旅行者から一番多くお金を取っている画面は、親切な顔をしています。ATMにカードを入れる、あるいはレストランで端末を渡されると、「タイバーツで支払いますか、日本円で支払いますか」と聞かれ、円の金額がすでに計算されて表示されています。

Photo: Credit Card and NFC-ready Vending Terminal by Aranami · CC BY 2.0

円を選ぶと、必要のない数%を毎回払うことになります。これがDCC(ダイナミック・カレンシー・コンバージョン、動的通貨換算)で、正しい答えは常にバーツです。

DCCは何をしているのか

通常、タイで海外カードを使うと、金額はバーツのままカード網に送られ、VisaやMastercardが自社の為替レートで円に換算します。このレートは銀行間レートに近く、毎日公表されます。その上に、カード会社の海外事務手数料が乗ります。日本のカードは1.5〜3%前後のものが多く、カードによってはゼロです。

DCCでは、換算が反対側で起きます。ATMの運営者や店の決済業者が、自分たちで決めたレートで先に円に換算し、円建ての取引としてカード網に送ります。カード網は換算する余地がなく、自社レートを適用できません。

彼らが決めるレートには利幅が含まれています。その利幅が、この仕組みの収益の全部です。

いくら損をするか

DCCの上乗せは、運営者によって**3〜7%**が相場です。ATMの運営者には上限近いところもあり、レストランの端末はもう少し控えめな場合もあります。どちらなのかは画面を見ても分かりません。上乗せ率ではなく「為替レート」として表示され、その瞬間の正しいレートを知っている人はほとんどいないからです。

ホテル代40,000バーツなら、6%の上乗せで2,400バーツ。ATMで20,000バーツ引き出せば1,200バーツで、しかもタイのATMが海外カードに課す1回220バーツの手数料とは別です。2週間の旅で毎回DCCを受け入れると、国内線1区間分くらいは簡単に消えます。

そして重要なのは、DCCを受け入れてもカード会社の海外事務手数料は消えないことです。消えるかのように見せる端末もありますが、消えません。多くのカード会社は取引の通貨ではなく加盟店の国で手数料を判定するので、両方払うことになります。

見分ける文言

画面は運営者ごとに違いますが、構造は同じです。バーツと円の2択で、円の方が目立つように作られています。

DCCの合図になる表現です。

支払いの時点で円の金額が表示されたら、それがDCCです。本来のバーツ建て取引なら、端末があなたの円の金額を知る理由がありません。あなたのカード会社がどのレートを使うか、端末には分からないからです。

「レート保証」が一番紛らわしい表現です。確かに保証されています。利幅込みであることが保証されています。

押すべきもの

ATMでは、金額を選んだ後に換算の提案画面が出ます。バーツを意味する方を選びます。「Continue without conversion」「Decline」「THB」「Pay in local currency」のいずれかです。2回聞いてくる機械があり、2回目は逆の言い回しになることがあるので、同じ位置を2回押さずに両方の画面を読んでください。「断ると自分の銀行から換算手数料を取られることがあります」という小さな注意書きが出る機械もあります。これは事実ですが、それでも受け入れるよりはるかに安いです。

店やレストランの端末では、暗証番号の前に選択が出ます。端末が手元にあれば自分でバーツを押します。店員が持っているなら、カードを渡す前に「バーツでお願いします」と言います。観光地の店員は毎日聞いている言葉で、ごく普通の頼み事です。

タイのサイトでのオンライン決済でも、同じ提案が通貨の選択として出ることがあります。THBを選びます。

THB 自分の銀行が換算 EUR / USD / JPY 端末が換算・+3〜7% ✓ ✕
画面の文言が何であれ、選択はこれです。自分のカード会社に換算させるか、端末に換算させて差額を取らせるか。

すでに円で処理されていたら

端末が自動的に換算する設定になっていて聞かれなかった、あるいは店員が違う方を押した、ということがあります。明細を見れば分かります。金額が円で印字され、適用レートが下に書かれていることが多いです。

その場で気づいたら、取り消してバーツで通し直してもらいます。ホテルやレストランなら普通に通る頼み事です。ATMでは無理です。引き出しは終わっています。

カード網の規則では、DCCは本人の選択として提示されなければならず、同意なしに適用してはいけないことになっています。まったく聞かれなかったのなら、カード会社が調べてくれることもあります。ただ少額なら手間に見合いません。教訓の方が異議申し立てより安いです。

そもそも聞かれないために

気にしなくていい人

一文で言うと

タイの機械が円で金額を見せてきたら、それは為替レートを自分で決めさせてほしいという申し出です。断って、バーツで払い、計算はカード網に任せてください。ATMの220バーツと合わせた考え方はタイのATM手数料220バーツの正体にあります。

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